こんにちは。
みのり農場の麻生です。
昨日の事です。
今年のゴールデンウィークにある唐津やきもん祭りは
唐津焼の陶芸家とスイーツのコラボなので、
若手の人気陶芸家の村山健太郎産と組んでやります。
今日が撮影でしたので、昨日のうちに撮影に使用する器を
引き取りに伺いました。
村山さんの窯元である健太郎窯はたまご色のケーキ屋さんから
車で5分くらいとかなり近いのですが、
車で向かっているその道中、父が仲良くしている
同じ地区に住むみかん農家のおじさんが軽トラに
乗って走っておりすれ違いました。
その際に軽トラの荷台にたくさんの椿が積んであるのが
目に飛び込んで来ました。
慌ててUターンし、おじさんが車を止めた空き地に
向かいました。
着くやいなや僕は開口一番、「おじちゃん、その椿どうすると?」
と聞きました。
おじさんは「おー!真司!これは伸びすぎてたけん、切り落とした
とたー!もう燃やすとぞ!いるなら持って行って良かぞー!」
と言ってくれました。
僕は「おじちゃん、良かとー?ありがとう!」と言って
ありがたくいただく事に!
話を聞くとおじさんの家は椿がたくさんあるらしく、
伸びて来たら、剪定して切り捨てるしかないそうです。
おじさんは「真司、お前欲しかったら腐る程あるけん、
好きな時に切りに来て良かぞ!」と嬉しいことを言ってくれました。
これこそ両親が家族ぐるみで丁寧に付き合って来た証拠ですね!
このおじさんの事をもう少し分かりやすくお話ししますと、
私たちの町の事から話さないといけません。
僕が住んでいる町の浜玉町は農業が一番の産業ですが、
その農業人口の大半はみかんを栽培しています。
昔のみかん栽培は露地みかんで、雨ざらし日ざらしの
栽培法でしたが、現在では季節をずらして出荷するハウス栽培が
主になっています。
露地栽培のみかんは値がつかないのが現状のようです。
そのハウス栽培のみかんの成績(収穫率、品質共に)が
町内で1番なのが、このおじさんなのです。
収穫したみかんは皆、JAの集荷場に持っていき、
そこで品質をチェックされて値段が決まり、農家に
支払われるシステムです。
品質が高いともちろん入ってくる収入も増えます。
同じ面積を栽培していても変わるという事ですよね。
でも、このおじさんの話を両親から聞くと、
美味しいみかんを作れるだけのことはあるのです。
おじさんは真夜中でもハウスの内の気温が気になると
起きてハウスの温度調整をしに行くそうなのです。
おじさんのおじいちゃんは養子さんで家に入って来た
そうなのですが、お庭の手入れが大好きで、
養子に来た際に海外から輸入したかなり珍しい
蘭の株を大事に抱えて来たそうなんです。
それくらい植物が好きで、マメな性格。
結果が違うのも納得できます・・・。
話が少し脱線しましたが、そのおじさんが捨てようと
していた椿にピンク色の珍しいものがありまして、
ありがたく頂戴しました。
おじさんに聞くと「その椿はうちの爺さんがオリジナルで
交配した椿だぞ!爺さんが交配したやつがようやく大きくなって
咲いたっつお!」。
そう、先ほどの話の欄を持って婿養子に来たおじいちゃんです。
交配したおじいちゃん自身はこの椿を見ることなく、
死んでしまっているのです。
木の寿命に比べると人間の寿命なんて短い
もんですね。
その椿をいけると感慨深い気持ちになります。
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